fleeq1.magazine No.03 「R34 feature」

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文:あっくん 写真:mak photograph(倉持)


BNR34のNurグレード限定色、ミレニアムジェイドメタリックがめちゃくちゃシブいjunさんのスカイライン。純正っぽく、そしてsimple is bestをモットーに製作。

音・ボディー・アシなどトータルで魅せる大人の4枚

親がケンメリに乗っていたことで昔からスカイラインが好きだったというオーナーのJunさん。「とくに32が好きだったので免許を取ってからはtype-Mの2ドアを買ってドリフトをはじめました」という話からもスカイラインはもちろん、走ることも好きなんだというのが伝わってくる。そんな中大人になるにつれて大きなセダンが横を向く姿に魅力を感じ始め、ちょうどその頃D1でのむけんが34の4枚に乗っていた影響もあり34セダンに乗り始めたという。(今回ご紹介する34セダンの前はドリフト仕様の34セダンにも乗られていました)好きなスカイラインでドリフトを楽しんだ後に好きなスカイラインでドレスアップやサウンドを楽しみながら長く大切に乗る、そういう大人なスカイラインの嗜み方ってめちゃカッコよくないですか!

このクルマの大きな特徴のひとつがその音。というのもオーナーのjunさんはかなりの音マニア。1Jサウンドがこの上なく好きなjunさんは当初1jzに載せ替えを検討したが、行きつけのショップに相談したところ納期的に難しく断念したそう。そこでその次に憧れていたサウンドであるR31 GTS-RのRB20の音を25で目指すことに。

まずはアルトラック製のエキマニを等長から不等長と両方試した結果どちらも満足いかず、その間フロントパイプやマフラーもとっかえひっかえ試したという。

そして最終的にエンジン内部にも手を入れた上で等長マニ、Rチタンマフラー(柿本も愛用)に落ち着き、やっと満足いく音になったようだ。「音ってやっぱやってみないと分からないことがほとんどでトライ&エラーの繰り返しだったんですがなんとか満足いく音になって良かったです」とjunさん。

これがホントに絶品で、RBターボってここまで官能的な音になるのかとウットリします...イベント等で見かけたらぜひ耳を澄ませてみてくださいね!

一方外装はなるべく純正のクオリティーを損なうことの無いようこだわって仕上げたということでなるほど見れば見るほど素晴らしい仕上がり。

特にこのURASのtype-Rリアフェンダーはドア部、クオーター部ともに貼り付けタイプのものを装着。これを取り付ける場合ビス止めが主流となっているが、純正風仕上げが絶対条件だったため貼り付けフェンダーとボディーの接合部はスムージングとした。しかしパテを多く使うと割れや痩せの可能性があるため、主にパネルボンドを使用して製作。その仕上がりは近くで見ても継ぎ目がどこなのか分からないほどで、ドア内などもキレイに作り込まれている。

さらにワタクシが気になったのがその表面の美しさ!普通FRPの社外フェンダーって結構波打ってて周りの景色の映り込みがあんまりキレイじゃないじゃないですか。このフェンダーはまったくそれが無くて映り込みがとても美しいんです...個人的にはそこもまたこだわりを感じるポイント。

「外装に関しては製作から7年経つんですが大きな割れもなく塗装もキレイなままで、作業していただいた板金屋さんにはとっても感謝してます」と話してくれた。

R34のホイールといえば18~19インチが主流だが、junさんはアドバンGTの20インチをセット。34に20ってデカすぎじゃね?って思う方も多いだろうが、この34はボディーメイクやカラーセンスによってナチュラルなバランス感を保っているのがスゴい。メーカー純正には設定されていないブラッシュド加工を施し人気がゆえよく目にするアドバンGTが独特の雰囲気に。サイドステップはRフェンダーに合わせてBNR用とニコイチしチリ合わせを行っている。


ボディーパーツは基本的にすべてURAS製。その中で様々なパーツをハイブリッドさせることで個性ある超絶ワイドボディーに仕上げている。次はフェンダリストに向けてまた大幅にリメイクするとのことで、次の仕様も非常に楽しみッス!

定番ボディーキットで仕上げる「他人と被らない仕様」

ER34、とくに4枚で圧倒的な装着率といっても過言ではない「URAS」エアロ。中でもtype-GTはD1SPECに代わり、「URAS」の創設者であり34セダンの人気に火をつけたことでも知られる「のむけん」こと野村兼がD1グランプリで自身のマシンへ装着していた影響なのか、かなりの人気を誇っている。そんな人気あるURASの「type-GT」エアロで個性あるスタイルに仕上げているのがこのツカサさんの34。装着率の高いボディーパーツを使って他と被らないビジュアルを構築するというのは並大抵のセンスでは成し得ないハズ。一体どうやって個性的な34に仕上げているのかじっくりと見ていただきたい。

以前からツカサさんの34をご存知の方はすぐお気づきになっただろうが、今回の仕様変更でかなり車高が落ちている。というのは、以前より大きくアーチが上げたのがその理由。

以前からツカサさんはD1specのワイドフェンダーへ加工した逆反りタイプのオーバーフェンダーを組み合わせることで個性あるワイドボディーを構築していたが、今回逆反りオーバーフェンダー側にさらなる加工を施しD1specフェンダーのプレスラインギリギリまで取り付け位置を上げることでアーチを上げ、車高をできる限り下げることに成功したという。

4ドアにおいて貼り付けフェンダーでアーチ上げを行うというのは、ドアを切り上げることを意味する訳で、ドアを開けた時にその作り込みに差がでてしまう。ところがこの34はどうだろう、ドアを開けた瞬間その仕上げのキレイさに取材陣は思わず歓声をあげてしまうほど超絶すばらしい仕上がりではないか!カメラマン倉持も「もはや純正クオリティーじゃないすか」と感心しながら撮影していた。

そんなコダワリのフェンダーに収まるホイールはWORKのマイスターL1 3ピース。さすが2つものワイドフェンダーを組み合わせたド迫力のワイドボディーだけあって12J̠−49という超絶サイズを飲み込む。

インテリアもアップグレード。主な追加パーツはロールバーと社外サンルーフで、どちらもインパクトあり!両脚レカロ、4点ベルト、追加メーターにロールバーと非常にレーシーなインテリアだけど、決してゴチャついてないのがとても好印象で、ここにもセンスを感じます。

そして内装パーツでもあり外装パーツでもあるサンルーフ。車内の解放感がアップするのはもちろん、チルトアップした時のカッコよさには多くの人が共感できるのでは?!


BNR34へのインストール例が少なく、データが無かったために苦労したというエアサス化。エアバッグがアームに干渉するなどの苦難をクリアし、ボディーに穴をあけることなくBNR34初のエアフォース装着に成功した。キャンバーもきればきる程エアバッグとの干渉に悩まされたが、現在イケヤフォーミュラのアームでキャンバー8度に落ち着いたという。またボディーカラーはベイサイドブルーからベイサイドブルーに再塗装する徹底ぶり。

子供の頃から憧れだったアールをイジる覚悟とこだわり

大人だけでなく、子供達にも夢を与えるクルマのひとつであるスカイラインGT-R。この34RのオーナーであるレオさんもR系GT-Rを夢見る少年のひとりだった。クルマに乗る歳になってからというもの、R系GT-R、とくにこの34Rは最期のスカイラインGT-Rとしてプレミア価格がつき値段は上がる一方。「手に入れるなら今しかない。。」そう思ったレオさんはその日に当時乗っていたクラウンを売ってこの34の在庫を確保。せっかく夢のアールを買うならと後期V-specⅡを選んだ。

買った当初は純正、いってもnismo仕様こそが34の完成系だと考えるレオさんはホイールこそTE37を履いていたものの、それ以上イジる気はさらさらなかったという。それは決してレオさんがノーマル主義なわけはなく、イベントにも多く足を運ぶカスタムカー好き。そんなレオさんですら手を加える気にならなかったのは彼にとってBNR34は特別で神聖な存在だったから。。。その想いは大好きな34を手放し、自分の中でカスタムベースになりうるクルマに乗り換えるかも悩んだほど。

しかしそんな気持ちに決心がついたのはレオさんがとある有名ショップに遊びに行った時のこと。そこで自分が悩んでいることを相談したところショップの方からはこんな答えが。「レオくんの考え方じゃ34R乗るのは早すぎなんちゃう?下手にイジるのももったいないしもっと歳いって落ち着いてからから純正で街乗りにつかったらええ。人生何があるか分からんしクルマいじりたいなら今はカスタムベースにできるクルマ買って好きなことやり!」

自分が好きで買った34Rが自分には早すぎる。そう他人に言われたことでレオさんのプライドに火が付いた。

「34Rは純正が一番」と信じて疑わなかったその価値観を自分自身でぶち壊すのも面白いじゃないか。そんな特別な想いを形にしたのがこのBNR34っていうワケ。一体そこにはどんなコダワリが詰まっているのか、とくとご覧あれ。

外装は基本的にフルNISMO。フロントバンパーとフェンダーはZ-tuneのものを装着するが、フロントバンパーのナンバーポケットはスムージングし迫力ある顔つきの中にスッキリとした印象を持たせている。

そしてこの34の中でももっともコダワリを感じるパーツの1つがこのフロントフェンダー。Z-tuneのものをベースにR35純正のフェンダーダクトを34のボディーラインに違和感なくフィットするようにインストールした。これに合わせてGTエンブレムとサイドウィンカーを撤去しサイドステップとのつなぎ目もスムージングした。足したら引く、これを徹底することで足したモノを自然に見せる工夫がなされている。

 

ホイールはWORKのマイスターS1 3ピース。スラムド時のアーチとリムの詰まり具合を考慮し18インチをチョイスした。

定番ホイールを履くにあたって気を遣ったのがそのカラーで、ベイサイドブルーとの相性を考えアルマイトブラウンのリムにピアスボルトとナットはゴールドを選択している。これが大正解で、ポリッシュとは違う絶妙なカラーバランスを生み出したのだ!

 

ハイパフォーマンスカーのモディファイでないがしろにしてはいけないのがタイヤ。レオさんも走りを意識した太さ、見た目、グリップにこだわり、短期間で数種類のタイヤを試したそうだが、最終的にTOYOプロクセススポーツの245/35に行き着いたという。


トランクは鍵穴や日産エンブレムをスムージングしスッキリとした印象に。Rエンブレムは高級感のある35用に変更。

テールランプはこれまた青との相性の良いクリア(紅白)タイプとなっている。これは現在生産されていないレアパーツなんだとか。

リアウィングの2枚目調整板はパールブラックで仕上げ高級感をアップしているが、これはフロントディフューザー、フェンダーダクトと色を合わせ、トータルでのカラーバランスも意識している。

内装は基本的にアフターパーツはニスモのフルスケールメーターのみ。

その他は高級感をプラスするためセンターパネルのピアノブラック塗装、サンバイザー、ルームミラーのアルカンターラ張り替えを施し、ルーフもブラック化。今っぽさを演出するためイルミネーションもLEDへ打ち変えている。

センターコンソールに鎮座するエアサスタンクが存在感抜群でとてもオシャレ。



迫力あるZ-tune顔に目がいきがちだけど、見る人が見ればフェンダーが純正のままだったり、サイドは純オプにアンダーを装着したりと4ドアの良さも残していることが分かるハズ。シルバー×ブラックをコンセプトとして内外装ともに効果的にカーボンパーツを取り入れ、それに合わせてヘッドライドやメーターもシルバー味の強い後期用をチョイス。キャリパーもZ-tuneを意識しシルバーにペイント。無彩色の明暗にこだわったトータルバランスを作り出しているのだ!

「4ドアGT-R」ではなく「4ドアニスモ」を意識し製作

本誌第1号として以前も登場したtakuyaさんの34だが、今回34祭に合わせリメイクを行いパワーアップして再び登場。ちなみに前回の取材後からfleeq1のメンバーとして活動してくれている。

そんなtakuyaさんが34を選んだ理由のひとつがD1ドライバーのむけんこと野村兼選手の影響。34 4ドア乗りなら他にも彼に影響を受けた人も多いんじゃないだろうか。しかしtakuyaさんはのむけん号に影響されたとはいえフルエアロを組んだりする方向ではなく、なるべく純正の良さを活かしたスタイルを目標に、純正オプションエアロやそれにマッチするアフターパーツをチョイスしモディファイしてきた。

そんなクルマづくりをする上で常に意識にあったのがR34の中でも最強モデルであるZ-tuneの存在。今まではBNRのパーツを使うことなくZ-tuneのような存在感を出すというのをテーマにカスタムを行ってきたが、今回のリメイクではさらなる迫力を求めてRフェイス化を決行、理想の「4ドア版ニスモ仕様」を具現化した。

ホイールはニスモLM GT4の18インチで、10.5J+15といういわゆる最大サイズ。フェンダーはあくまでナローのままRチューナーサイズを履きこなすのがtakuyaさんのコダワリ。キャンバーも寝かせすぎず微キャンというのがミソ。タイヤはショルダーの形状とパターンのカッコよさからハイグリップをチョイス。以前の取材の際に履いていたTCⅢとこのLM GT4の間はTE37 SLを愛用していた「ソレ系ホイール」大好きマンだけあってホイールとその他の相性は完璧ッス...

フロントはRフェイスだが、リアは4ドア用のニスモハーフをチョイスすることでERの良さを残しあくまでフル4ドアGT-R仕様がテーマでないことをアピールする。

トランクはフロントのカーボンボンネットに合わせてAPMのカーボンダックテールに。

そしてリアビュー最大の見どころがマフラー。エンド形状を見て気づいた方もいると思うが、BNR34用のnismoヴェルディナをワンオフ加工し装着。これがまたターボとはまた違った心地いいサウンドを奏でるんです...


ボディーカラーはR35純正のダークメタルグレー。サイドステップのみER用のインパル製にすることでR仕様特有のアクを抜いている。それともう1つ、普通のBNRやR仕様との差別化に貢献しているのがサンルーフだ。これがとても良い意味で違和感を覚えさせインパクトを与えている。チタニウムブルーのアドバンGTもバッチリボディーカラーにハマってるし、トップシークレットのディフューザーもボディー同色とすることで塊感とシンプルさを感じる仕上がりとなっている。

定番のR仕様だからこそひねりを効かせた技アリスタイル

ER34モディファイの中でもかなり定番になっているスタイルの1つが「R仕様」。迫力あるGT-Rの外装を落とし込んでいくというものだが、ご紹介するゆーすけサンの34もその手法をとっている。カッコいいから定番になる、けど定番だから埋もれてしまう。これは定番カスタム、定番パーツにはつきものな悩み。そこでゆーすけサンは基本的にはR仕様でありながら部分的にひねっていくことで他との差別化を図った。「よく見るようなスタイルだけどなんか違う」、そう感じさせるための技がどのようなものなのかご紹介します。

「R仕様に26載せ換えね」そう思った方も多いだろう。しかしコレ実は25。ブローバイホースを後ろに回して手前をスッキリとした印象にするために26ヘッドを使用しているのだ。その横に鎮座するコクピット館林製サージタンク、屈強なHKS関西製(違ったらごめんなさい)タワーバー、2530タービンでパフォーマンスアピールもバッチリ。

マフラーもゆーすけサンのコダワリが詰まっていて、まずは大型のタイコが砲弾とは一味違った迫力を出している。これはHKSのスーパーターボマフラーだが設定がGT-R用か4ドア用しか設定が無い。そこでR用を中間タイコからER用に作り直し、サブタイコを撤去しストレート化しているという。重みあるサウンドとエンドの焼き色が最高ッス!


ここからはかなりワタクシの主観が混じっちゃうんだけど、ゆーすけサンの34がR仕様なのに「どこかほかのR仕様と違うな」って思わせる大きな要因はこのリア周りにあるのではなかろうか。分かる人はすぐにお気づきになったと思うが、リアフェンダーがBNR純正よりさらに30ミリワイドになるクロスファクトリー製なのだ。これによりR仕様なようでRより迫力あるバックビューを生み出している。その角度の写真を倉持に撮らせなかったの惜しいが、個人的にこの34で1番好きなのが真後ろからの眺め。フェンダー、タイヤ、トップシークレットのディフューザー形状、ニスモアンダー、少し下にオフセットされた日産エンブレム(聞き忘れたけど後期用より大きい気がするのでおそらく他車種用)が相まってブリブリな迫力がめちゃめちゃカッコいいんです...。見かけた際はぜひ真後ろからご覧になることをオススメします。